IZUMIDA LEE(絵描き)



 Talk About Blundstone

絵描き IZUMIDA LEEさん

 

 

 “絵描き”を名乗り、自身の心のままに描きたいものを表現しているIZUMIDA LEEさん。彼女のスタイルに共感する企業やブランドからの依頼も多く、百貨店やセレクトショップのウィンドウ装飾や壁画制作、コスメブランドのパッケージ、アパレルや雑貨とのコラボレーションなど、キャンバスは多岐に渡ります。そんなLEEさんが長年愛用されているというブランドストーンのブーツ。その魅力や出会いについて、お話を伺いました。

__ブランドストーンとの出会いを教えてください。

 20152019年頃まで販売員をしていたのですが、勤めていたお店でブランドストーンを取り扱っていました。はじめの印象は、いい意味での存在感のなさ。ロゴが大きく主張しているわけではなく、デザインがシンプルで洗練されています。だからこそ、どんなスタイルにも合わせられると感じました。しかも、当時のウィメンズ市場では今ほどサイドゴアのブーツが出ていなかったんです。その数少ないラインナップの中でも、とくにブランドストーンは履きやすかったので、販売員としても接客しやすかったことを覚えています。歴史あるブランドだからこそ、定番モデルが確立されているので、気に入ったらずっと同じものを愛用し続けられるのも魅力だと思いました。

 

__愛用されて感じた魅力について教えてください。

 とにかく履きやすい。それってすごく大事なことだと思います。現場へ入って作業をする時に重い荷物を持ったり、脚立に登って絵を描くことも多いです。だからこそ、歩きやすさや、ストレスにならないフィット感など、機能面は大切。着脱もしやすいので、たとえば、キャンプでテントから出る時などにも快適です。じつはもう一足ヒール付きのブーツも持っているのですが、このヒールのないブーツばかりを愛用しています。かれこれ56年ほど履いていますが、革が自分の足になじんでいるので、壊れないかぎり買い替えたくないです。ここまでやわらかく履き込むのはなかなか大変なので。購入したばかりの頃はきちんと手入れをしていましたが、最近はできていないのでそろそろメンテナンスに出したいと思います。

 

左:ORIGINALS BS510089 Black
右:WOMEN'S SERIES BS1673251 Antique Brown

 

__ファッションの好みやマイルールについて教えてください。

 こういう系統のファッションじゃなきゃダメとか、こういう風に見られたいというようなこだわりはないです。もちろん、これまでに色々と試してきた経験など、20代の時より知識があるからこそ、昔より選択肢を持っているわけですが。その上で、時々の自分の気分を大切にしたいと思っているので、前日に服を決めるよりも、その日の朝になってから決めることが多いです。今日は濃いコーヒーを飲みたいなぁとか、そういった感覚に近いかもしれません。あとは、仕事の状況を優先して選ぶようにしているので、基本的に動きやすくない服装はNGですね。

 

__“絵描き”という職業へのこだわりについて教えてください。

 日本では、イラストレーターという肩書きだと、どうしてもクライアントのオーダーありきで描くという印象が強いと思うんです。私自身は「こういう大きな仕事をやりたい」「こういう企業さんとお仕事したい」という欲がなく、とにかく絵が好きで楽しいから描いているので、やはり個展を中心に活動していきたいという思いがありました。だからこそ、“絵描き”という職業にこだわっています。わがままかもしれませんが、オーダーを形にするのは技術的にも難しかったりして、求めていることと合わないと迷惑をかけてしまいますからね。私のスタンスをきちんと説明した上で、それでも自由に描かせてもらえる企業さんと一緒にお取り組みができたら嬉しいです。今後の目標は、おばあちゃんになるまで描き続けることです。

__とくに思い入れのあるお仕事はありますか?

 やはり、年に12回開いている個展です。毎日食べたいものが変わるような感覚に近いのですが、毎年描きたいものが変わるので、その時々の関心にしたがってテーマを決めます。場合によっては、絵のスタイルが変わることもあります。もともと調べるのが好きな性分なのですが、図鑑を読んだり、詳しい方にお話を聞いたり、ウェブでリサーチしたり、たとえば、植物のように実際に触れることのできる対象であれば必ず見にいきます。私にとって絵を描くことは、なにかを見て「キレイだから描きたい」ということではなく、テーマに熱中して調べるという過程の一部なんだと思います。だからこそ、流行りやスタイルに縛られず、好きなものを追求することができるのかもしれません。もし個展以外で思い入れのある仕事を挙げるとしたら、大好きな地元の北海道で大丸札幌さんとコラボレーションできたこと。ずっと親孝行できていなかったので、とてもいい機会になりました。

 

絵描き

IZUMIDA LEEさん

 

Profile

1986年生まれ、北海道出身。幼少期から絵を描き始め、アメリカ留学時に絵を学ぶ。2015年より東京に拠点を移し、販売員として「ビームス」に勤務。また、ショップのウィンドウや販促物の装飾なども手がける。2019年に独立し、本格的に絵描きとしての活動をスタート。毎年開催している個展をメインに、ワークショップやグッズ制作なども行う。アパレルやコスメブランド、百貨店とのコラボレーションも多数。

https://izumidalee.com

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